RTが我が家にやってきて、1200kmほど走りました。
高速よし、渋滞よし、ワインディング良しでたいへん気に入ったし疲れも少ないんですが、
最大の不満がひとつ。
尻が痛い。
後ろでかえる妻が尻が痛い痛い、このままじゃ割れそうだとブツブツ言います。
既に割れてとるやないかキサマ!とインカムの会話で返すものの、
じつは自分も痛い。 ロードスターのシートは、クッションの厚み自体はRTより少ないけど前後長があり、
しかもフラットなので前後の自由度が大きい割にブレーキング時のズレもなく、意外に良かったのです。
うって変わってRTのシート。前は同じような鞍型で、タンデム側の座面はぐっと短め。
クッションの厚みはあるけど、前後とも後端が「くいっ!」と上がっていて、
いつの間にか尻が前に前に落ちてくる。しかも落ちた先が落ち着かない。
結果、尻が痛くなる…身体は疲れずとも尻が傷むのは大きな誤算でした。
この対策として、ゲルザブを導入しようかとか色々考えたんですが…
きちんとシートの形状自体を見直さないと、現状の前滑りな感じは克服できんな、と。
遅かれ早かれ、シートには手をつけんと…と考え始めました。
まずは情報収集…とネットを徘徊していると、バイクを持ち込めば職人さんがその場で加工してくれるところがあるという。
僕が目を付けたのは、
サゴウ工芸さん。
HPを見ると、このご時世にネットで商売する気が全くないのが見てとれる(笑)し、
本当に現在店をやっているのかさえ疑わしい更新履歴である(爆)。
ただし、実際に作業を頼んだ人のブログは多数UPされていて、
・表皮を替えない内部の加工の相場は
15,000円くらい。
・バイクを持ち込んで、
職人さんとその場で打ち合わせるとすぐに加工を始める。
・加工の様子はかぶりつきで
見学できる。
・仕上げ前に方向性の確認のため
作りかけのシートで試走させる。
・
1時間~1時間半くらいできっちりシートが生まれ変わる。
・職人さんは
ミッキーカーチス、もしくは
仙人風の風体と表現されている(爆)
上記のような事がそのブログにも記載されていました。
通販でのシート加工では得られないものが有りそうだと、こちらに加工をお願いすることにしました。
RTのシートはセパレートなので、最低3万。外車特有のメンドクサイ工程によるプラスも少し覚悟してました。
で、いきなり現地着。看板、サッシに貼りつけてある紙切れだけです。
墨田区の路地裏、下調べして行かんとまず迷います。(ナビ頼みで行きました)
タンデムシートの加工も頼むので、かえる妻も同行です。
看板が貼りつけてあるサッシを開けて、「すみませ~ん」と2階の作業場所に向けて声をかける。
噂の職人さんが出てきました。
ミッキーカーチス…けっこう装飾入ってるかなぁ。
僕らは
「仙人」と呼ばせて頂くことにします。
仙人と半分雑談のような打ち合わせ。こちらの不満点を伝えると、
・ライダー側は前を上げ、後ろの立ち上がりの部分を盛って、座る位置を決める。
・ウレタンがドイツ人の体格に合わせて沈み込みが少ないので、少し沈む=お尻を包むように。
・タンデムシートは後ろの立ち上がりを削り、少し前上がりのフラットに盛りなおし。
だいたいこんな感じという話になると、さっさとシートを持って2階に上がっていきました。
で、あっという間にこの有様。
シート表皮の裏側の茶色い部分、シートのウレタンと表皮をくっつけていた接着剤です。
「接着されてるから時間かかるかもしれません」と言っていたが、サクッとここまで。
シート本体はバンドソーやらベルトサンダーやらでウレタンを切ったり削ったりした後、
別のウレタン(2層張り)を張り込んで、形を整えてました。
フロントシートの仮作り終了。試走はこの状態で行います。
タンデムシートも加工中。
仙人は、ホントに「現物合わせ」で加工を進めます。
たまにブツブツ独り言を言いながらw、たぶん仙人の頭の中には出来上がっている設計図をもとに作っているんだと思います。
傍から見てると、何の脈絡もなく切り刻むは、テキトーにマジックで印しをするわという感じですが(爆)
シートの表皮を止めずに、乗っけた状態で回りを試走に出てこいと言われ、走ってみると。。。
すげぇ!!!これまでに無かったお尻を包み込む感じ。
かえる妻も、本来座りたかった後ろ側に座れて、たいへん楽との事。
僕はお尻が乗るところにもう少しだけ幅が欲しいかな、くらい。
仙人に伝えたら、お尻のところに左右1センチ幅くらい足してくれました。
最後に、薄く伸びるウレタンでシート全体を包んで、表皮の貼り直しにかかります。
仙人はRTのタンデムシートの表皮をネタに、社長らしき人と話てました。
今のバイクじゃまずお目にかかれない、絶品の素材らしいです。
出来上がったシート。全体的に丸みを帯びているのが分かるかと思います。
最後に薄いウレタンで全体を包んでいるので、トータルでボリュームUPしています。
最後に、お会計は…
「これ、2個別々にやったんで2万円頂いていいですか?」安っ!!ホントに商売っ気があんまりない、職人の仕事だなぁ。。。
しかし、下町の職人の腕はヤッパスゴイわ。
では、ビフォー→アフターを。
↑Before
↑After
まだ少し走っただけですが、かなり希望に近く仕上がったかなと思います。
ロングツーリングが楽しみです♪
にほんブログ村↑ブログランキング♪ポチっとお願いします☆↑
twitterもよろしく♪
COMMENT
へぇ~
値段も腕もめっけもん。
早く知っていたら私ももっと快適な居住性だったかも。
くくく...残念!!
いい感じですね♪
かなり昔ですが、雑誌に紹介されていて、
今も興味ありましたので、
インプレ参考になります!
私の場合、純正の表皮が硬化してきて、
1cmほどのひび割れができてしまい、
急ぎ、別の店で施工となりました。
(軽く補正はしてもらっています。)
オリジナルのフロント側は、接着剤を使っているのは有名で、その影響で表皮が硬化しやすいのかとなと思います。
まーぼーさんの場合、表皮の状態が良かったようですね。
No Title
これで前後で2万円?!
実は私のRTも、シートが前掲していて、シートの高さ調整機構の下に木片をしいて高さ調整しています。
それも何となくしっくりこないので、いずれコンフォートシートをMotorworksから調達かなぁ、なんて思っていましたが、こっちのほうが断然いいな。
まーぼーさんのように立派な体格でも、やっぱりドイツ人仕様は硬いんですね。
まあ、私のHAGONショックも、ドイツ人じゃなくてイギリス人の標準ですが、ターゲットウェイトが75キロから100キロですからね。
やっぱり欧米人はでかい(^^;
Kachi//
>にゃびのママさん
あと10万kmくらい走るでしょ?(爆)
>RSのKさん
僕の表皮もボンドのところは固くなってきていましたが、
何とか使えたみたいです。
シート表皮の張替えに出すとR259は必ずノーマルにはない切り返しが入るようですが、
たぶんボンドを使わずにピッタリフィットさせるように表皮を整形させるためなんだなと、今回の作業を見ながら察しがつきました。
>Kachiさん
木片敷いているのも知ってましたから。
職人さんの作業見てると楽しかったですよ。
こんど試乗してみてください!
http://www15.ocn.ne.jp/~bikeseat/11.html
↑大阪にも現場施工してくれるショップさんありますよ。
No Title
タイムリーな情報ありがとうございます
家のパッセンジャーも”尻が痛い”とうるさいもので・・・
シートの上に立ってるのはかえる妻さん?
>マイキーさん
ならば、このカスタマイズはおススメかも。
シートの表皮が裏側でホッチキスみたいなので留めてあるタイプなら、
たぶん即対応可能と思います。
シートが立派になったので、手乗り蛙が立つことができます(爆)
無題
良いシートに仕上がったようで良かったですね!
私もアドベンチャーのシートに手を加えたいな〜と思っていたので、参考にさせて頂きます^^
>MACさん
僕もアドベンチャー買うなら、タンデム側含めて居住性には手をつける必要ありと思ってました。
シート加工、お奨めしますよ!